良くも悪くも

思ったことを思った通りに書くブログ

メッセージ

※基本的にこのブログはネタバレありです!

 今回はかなり核心に触れているので未見の方はご注意を。

 

メッセージ 

70/100点

他の映画を見た時に予告を見てストーリーが面白そうっていうのとホーク・アイ(ジェレミー・レナー)出てるやん!ていうのでかなーーり気になったので見て参りました。

Twitterでこの宇宙船の形がお菓子の「ばかうけ」からデザインしたっていうコラ画像が流れて以来、

見る度にばかうけ…と思ってしまった呪いをこれを読んだ人にも届けたい(ぉぃ

 

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 「プリズナーズ」「ボーダーライン」などを手がけ、2017年公開の「ブレードランナー 2049」の監督にも抜擢されたカナダの鬼才ドゥニ・ビルヌーブが、異星人とのコンタクトを描いた米作家テッド・チャンの短編小説「あなたの人生の物語」を映画化したSFドラマ。ある日、突如として地球上に降り立った巨大な球体型宇宙船。言語学者のルイーズは、謎の知的生命体との意思疎通をはかる役目を担うこととなり、“彼ら”が人類に何を伝えようとしているのかを探っていくのだが……。主人公ルイーズ役は「アメリカン・ハッスル」「魔法にかけられて」のエイミー・アダムス。その他、「アベンジャーズ」「ハート・ロッカー」のジェレミー・レナー、「ラストキング・オブ・スコットランド」でオスカー受賞のフォレスト・ウィテカーが共演。(映画.comより)

 

  • 静かに怖い

物語は12の巨大な宇宙船が突如として地球に現れるところから始まります。

その事実が人々に与える恐怖や戸惑いを大げさに描かず、ニュースの映像や電話でのやりとり等で

描いてるのが逆にリアルで、じわじわと世界の混乱が感じ取れたのが良かった。

 

主人公の言語学者ルイーズ(エイミー・アダムス)と物理学者のイアン(ジェレミー・レナー)が所謂宇宙人に邂逅するシーンも丁寧に時間をとって描いていて

自分もこれから宇宙人に遭遇するんだ…とかなりドキドキしました。

他のSF映画のような凄まじい映像や壮大な音楽はないものの、

常に緊張感のある演出・演技・音楽が映画への没入感を上げてくれていたように思います。

 

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良い味出してるお二人

 

  • 宇宙人とのコンタクトが楽しい

無事(?)宇宙人との第三種接近遭遇を果たしたルイーズは会話を諦め、文字でのコミュニケーションを図ろうと

ホワイトボードに単語を書いて人の文字を教えようとします。

そしてそれに壁越しではあるものの触手から墨みたいなもので文字を出してくれる宇宙人に

意思疎通が出来るんだと思ってちょっと嬉しくなる。

 

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墨絵っぽい宇宙人文字

 

単語を示し、動作をで表し、それに応えて相手が文字を出し、その文字を解析して意味を見つけていくという途方もない作業を延々と繰り返し

徐々に意思疎通が出来てい人類とヘクタポッド(宇宙人の呼称)。

その意思疎通の過程を見てるだけでも楽しい。

ていうかこんな面倒くさいやり取りに協力してるだけでかなり友好的だと思うのだけれど、

国の安全を預かる偉い人たちからするとあらゆる可能性・危険性を考えて決断していかなければならないらしく

1か月ほどかけてヘクタポッドから「武器の提供」という目的を聞き出してから事態は急展開していくわけです。

 

  • 時の流れ

ヘクタポッドとやり取りをしていく内にルイーズはだんだん娘との映像を見ていくようになります。

赤ちゃんの頃、幼い頃、病気になって死んでいく娘の映像。

だんだん、現実なのか娘との時間を過ごしているのか境が曖昧になっていくルイーズ。

 

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娘とのシーンがかなり頻繁に流れる

 

ヘクタポッドとのやり取りしていく内に、過去をリアルに見られる、影響を与えられる能力を持つようになってしまったのかな…

と思いきや!!

終盤、世界がヘクタポッドに攻撃を始めようとしてなんとかしようとルイーズが壁の中に入り、

直接ヘクタポッドとコンタクトをとった時の台詞

 

「あの女の子は誰!?」

 

この台詞にぞくっとしました。

今まで私たちが見ていた映像はルイーズの「思い出」ではなかった。

回想シーンといえば過去のことだろうという思い込みを逆手にとられた。

予告編で耳にした「娘を亡くした言語学者…」という紹介もミスリードだった。

ルイーズは過去を見ていたわけではなく、未来を見ていたわけです。

それが理解できた時のぞくぞく感だけでこの映画見て良かった…と思いましたね。

 

ヘクタポッドの与えてくれた「武器」とは「時は一定方向へ流れるもの」という人間の概念を取り払うことでした。

その力を使って終盤ルイーズが世界なんとかする下りはちょっと強引かなーと思いつつ、

その「時間の流れ」がなくなることに私は恐怖を感じてました。

 

時間の流れが一定方向でなくなるってことは、過去も未来も自分の意志で見ることができるっていうことになると思うんだけど

それって「今」がなくなることに等しい。

未来が見れて、過去が見れて、映画の描写的にはその時間に対して何かしら働きかけをすることもできる。

そうしたら未来は変わるし、過去を変えたら今が変わる。

今も未来も過去さえも不定形になるし、終わりが来ることがあるんだろうか?

それは生きている言えるのか?

そんな能力を与えられた人類はその後幸せになれるんだろうか。

というようなことをエンドロールで考えているとかなり怖くなりました。

 

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だいたいロクなことしかせんで宇宙人ってやつは

 

 

この映画で、というよりも最近見る大作映画で気になるのが、必ずと言っていいほど中国が出てくること。

メッセージでも中国がかなりの影響力を持っていたし、キーポイントになってました。

他の映画でも中国人が出てきたり、中国が物語の舞台の一部分になってたりと

リアルな中国の影響力の強さを映画で体感してます。

とは言え一般小市民であるところの私にはあー中国今すごいんやなーとぼんやり思うくらいしか出来ないわけですが…。

 

まぁとにかくメッセージは良い映画でしたので未見の方はぜひどうぞ!