ハクソー・リッジ
※基本的にこのブログはネタバレありです!
ハクソー・リッジ
75/100点
予告見て銃を持たない兵士の活躍劇かー面白そうやなー、と軽い気持ちで見たら結構しんどい内容だったので見た後ダウナーな感じになったので
見る場合は覚悟してから見ることをオススメします。
メル・ギブソンが「アポカリプト」以来10年ぶりにメガホンをとり、第2次世界大戦の沖縄戦で75人の命を救った米軍衛生兵デズモンド・ドスの実話を映画化した戦争ドラマ。人を殺してはならないという宗教的信念を持つデズモンドは、軍隊でもその意志を貫こうとして上官や同僚たちから疎まれ、ついには軍法会議にかけられることに。妻や父に助けられ、武器を持たずに戦場へ行くことを許可された彼は、激戦地・沖縄の断崖絶壁(ハクソー・リッジ)での戦闘に衛生兵として参加。敵兵たちの捨て身の攻撃に味方は一時撤退を余儀なくされるが、負傷した仲間たちが取り残されるのを見たデズモンドは、たったひとりで戦場に留まり、敵味方の分け隔てなく治療を施していく。「沈黙 サイレンス」「アメイジング・スパイダーマン」のアンドリュー・ガーフィールドが主演を務め、「アバター」のサム・ワーシントン、「X-ミッション」のルーク・ブレイシーらが共演。第89回アカデミー賞で作品賞、監督賞、主演男優賞など6部門でノミネートされ、編集賞と録音賞の2部門を受賞した。(映画.comより)
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デズモンド・ドスという人
前半はデズモンド・ドスという人がどういう人でどういう環境で育ったかが丁寧に描かれていく。
元軍人で飲んだくれて暴れまわる父親、それに耐える母親っていう辛い環境で育ったデズモンドは真っ直ぐなのに、どこかいびつな人間に育っていく。
ひょんなことから知り合った看護婦のドロシーちゃんに一目惚れしてすぐに猛アタックするデズモンド。
とにかく猪突猛進一直線で面白いw
なんやかんやあって結ばれる二人。こんな美人やのにこんな冴えない感じの男に引っかかるか!?とは思いました( ˘ω˘ )
白衣の天使という言葉がぴったりな美しいドロシーちゃん
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執拗なまでの戦争描写
事前に情報を入れなさ過ぎて、この戦争が第二次世界大戦であること、ハクソー・リッジが沖縄上陸戦であることを知らずに見てたんですが
劇中に「日本兵」とか「沖縄」っていう言葉が出る度に胸がざわざわしていきました。
ハクソー・リッジはHacksaw=弓鋸・Ridge=崖という意味で米軍がつけた名称らしく、
沖縄の前田高地という当時激戦地だった場所を指すそうです。
後半ほぼそのハクソー・リッジでの激戦の様子が描かれているんですが、
とにかく戦争描写が凄まじい。執拗と言ってもいいほど。
今の今まで話してた人が頭を打たれて死ぬ、爆弾が飛んできて足を吹き飛ばされる、胴体がない人が転がってる等々ゴア表現もかなりものでした。
耐性ない人は気分が悪くなるかもしれない。
そういう描写が延々と10分くらい続いてとにかく人が死んでいって、完全に心がすくんでしまってた。
そこに至るまでに笑い合っているのを見ていた愛すべき米軍の人たちがどんどん殺されて
同じ民族の日本人も同じようにどんどん死んでいって、どうしてこんな辛いことが起こっているのか
動悸が激しくなって、悲しいというよりは辛くて辛くて涙が出た。
このシーンがこの映画で一番印象に残ってます。
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嘘のような実話
衝撃の戦闘描写が一段落してから、デズモンドの活躍が描かれるんですが、
簡単に人が死んでいくのにデズモンドは弾に当たらず、爆弾にも当たらず大した怪我無く次々と負傷者を助けていく。
ほんまにこんなことできる人いるの!?って思ったけど、実話なんだから多少の脚色はあれど本当のことなんよね。
敬虔なクリスチャンのデズモンドへの神のご加護だったのかもしれない。
あと1人助けさせて…あと1人…と言いながら75人助けるデズモンドさんすごい
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気付き
今まで学校や映画で空襲を受け、原爆を落とされ、戦争に負けたっていう話をたくさん聞いてきて、
「日本は戦争に負けて可哀想な目に合ってきたんだな」っていうどちらかといえば被害者である、という意識でいたけれど
この映画を見て、日本もたくさん人を殺している加害者でもあるという事実を今更ながら気付いたというか自覚した。
何ができるというわけでもないけれど、二度と世界規模の戦争が起こらないことを、この国に戦争が起こらないことを切に願う。
正直すごい面白いからみんなにオススメ!って言える映画ではないし、好きな感じの映画ではない(もっとゆるい映画が好きw)。
でも、見て良かったと思えるとても良い映画だったし、見て損はない映画だと思う。